Interview
- Q:料理人になるきっかけ、経緯は?
- A:札幌で自動車関連会社でエンジニアをしていましたが、その時に平行でアルバイトをしていた割烹料理屋で始めた皿洗いがきっかけで、その後NYへ行きました。
- Q:日本料理を作るうえでこだわっている点はありますか?
- A:特に懐石は季節感、体裁、味は重要です。更にはアメリカやニューヨークに居ながら日本を感じてもらえるように心がけております。
- Q:海外(ニューヨーク)で日本料理を作る上での問題点や工夫などありますか?
- A:日本からの野菜や乾物等、輸出制限されてる食材が多くて困る時はありますが 何処にいても日本人ですし、自分が作る料理は日本料理であり和食だと思って作っているので自然と信念も持てる様になります。そしてその場の状況に合わせていけば、何も問題ないです。
- Q:現地のお客様の日本料理に対する反応はいかがですか?(海外ならではエピソードなど)
- A:今現在で、NYに滞在している人やその他の地域に住んでいらっしゃる人たちは、自分達の年代以上の人たちよりも色々な情報が入ってますよね。多分食べ物も同じで、自分が住んでいる場所の食事のレパートリーとしての位置付けに、和食だとかイタリアン、フレンチ、その他の国の料理があるんですよね。そういった事もあるので、色々なジャンルの和食が受け入れ易くなってきていますね。その中でも本物の味やサービスを提供するお店は自然と指示されているようです。
- Q:今後、どんなお店にしていきたいですか?どんな挑戦をして行きたいですか?
- A:今まで通り、先ずは日本人である我々が美味しいと思っている料理と、きめ細かいサービスを提供していきます。特別変わった事を考えていませんが、それを続ける事でおのずと結果が付いてくると思っています。
- Q:海外で仕事をする経緯は?
- A:自動車関連会社を退職して幼馴染と2人でNYに無期限の旅行に来ました。その時に日本レストランやイタリアンレストランで働きキャリアを積み上げました。
- Q:こだわりの食材はありますか?または現地ならではの食材などありますか?
- A:季節の魚と野菜、果物を全体的に取り入れる様にしています。アメリカやNYならではの食材としては、どのジャンルのシェフも同じことを考えていると思いますが、フィッシュマーケットでの魚、NY郊外の野菜を現地での仕入れや、市内にあるファーマーズ・マーケットで仕入れるのは当然ですが、私は更にローカルな場所、クイーンズやブルックリンを訪れ、初めて見る野菜や乾物、穀物などを仕入れた際には、それらの食材を使って献立を立てる時もしばしばあります。
- Q:日本料理を通じて伝えたいことは?
- A:お客様に日本料理を通じて伝えるというよりも、日本が好きで日本料理が好きなお客様(日本人はもちろん、非日本人の方)から私は多くの事を教えて貰う事の方が多いです。改めて実感することは、日本は素晴らしいということです。食文化や食の歴史など、先人、先祖の教えがあって今の自分達ですから。そういった事を胸に日々精進します。
- Q:いま世界が日本食の魅力を認めているのはなぜだと思いますか?
- A:最近は日本に旅行に行く人も多い事と、こちらでも日本の映画や文化、料理のイベント等、数多く日本に触れる機会を通じてより多くの人が日本に関心を持ち、また日本料理のシンプルで分かり易く、尚且つエレガントで美しい日本食についても魅力を持ち始めているのだと思います。
- Q:世界の方に伝えたいメッセージ
- A:自分は料理人ですので他の事は出来ませんが、世界中何処に行っても少しの食材さえ有れば、ちょっとでも日本を感じて貰える食事を提供できるシェフでありたいです。色んな国の日本大使公邸の料理人の知り合いがいますが現地ならではのご苦労を聞いたことがありますが、楽しんで料理を作って、美味しいと言って食べて貰える喜びがあり、物が足りない辛さよりも、少ない食材を使って献立を考える方が、時として素晴らしいアイデアが出てくる時もあります。そんな喜びを感じながら料理をしていきましょうかという感じですね。自分も頑張って楽しみます。
Profile
日本の季節を表現し、伝統的な懐石料理を提供する人気で過去にミシュランの星も
獲得したことのある日本料理店「Kyo Ya」のExecutive Chef
1962年7月生まれ
北海道出身