Taste of Japan

ひとさじの麹

ひとさじの麹

日本酒や味噌、醤油に欠かせない日本の伝統的な「麹」。千年以上もの昔から使われてきた麹ですが、近年その効能が健康や美容に良い効果をもたらすと脚光を浴び、新たな活用法が注目されています。

麹とは何?


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麹とはもともとは中国由来の発酵食品で、米や麦、大豆といった穀物にコウジカビという菌を付着させて培養したもの。日本酒や焼酎、泡盛の原料となるほか、かつて日本の家庭で味噌や醤油などの調味料や甘酒を作るのに使われた、伝統的な日本食に欠かせない存在です。

近年では食生活の変化により調味料を家で作る必要がなくなり、麹の需要は減っていましたが、そのさなかで麹の持つ効能が改めて評価され、塩で仕込んだ「塩麹」が様々な料理に活用できる「万能調味料」として日本で一躍ブームとなりました。

万能調味料「塩麹」


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では、塩麹を使うことでどんなメリットを得られるのでしょうか。塩麹には多くの酵素が含まれていて、これが食品に対し様々な働きをします。食材を漬け込むことで酵素がデンプン、タンパク質、脂肪を分解してアミノ酸を作り出しより美味しくするだけでなく、体内での消化・吸収を助け、肉や魚を柔らかくするといった効果があります。

また麹は肌の代謝に関わるビタミン類を作り出す上、乳酸菌も多く含んでおり、そのままタレとして使っても栄養を得ることができます。まろやかな口当たりの塩味なので、和食に限らず多くの料理に活用することができるでしょう。

簡単に作れるのも塩麹の魅力のひとつであり、必要なものは塩、米麹、水だけです。

まず塩と米麹をむらなく混ぜ、全体がひたる程度に水を加えます。それに蓋をしたものを、直射日光を避け室温で保管し、一日一度撹拌させつつ寝かせます。10日から二週間ほど寝かすことで麹が柔らかくなり、バナナのような甘い香りがしたら完成です。

子供も飲める「甘酒」


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また麹からできるものに甘酒というものがあります。麹由来の栄養を多く含むことから「飲む点滴」と呼ばれることもあります。温めても冷やしてもおいしく、一年を通して楽しむことができる、日本では千年以上昔から親しまれてきた飲料です。子どもでも飲むことができます。

その豊富な栄養素から、毎日飲むことで美肌や美髪効果のほか、免疫力の向上、疲労の回復、新陳代謝の向上、便秘解消といった様々な効果を得ることができ、朝に飲めば一日を元気に過ごすことが、寝る前に飲めば質の良い睡眠を得ることができます。日本酒の製造過程でできる酒粕からも甘酒は作れますが、こちらはアルコールを少し含むので注意が必要です。また栄養分を多く含み、飲み過ぎると肥満の原因になる恐れがあるため、一日につきコップ1杯ほどが望ましいです。