Taste of Japan

Wako

Wako

2014年にオープンし、2016年より4年連続でミシュラン1つ星に輝く

211 Clement St San Francisco, CA 94118
(415) 682-4875
http://www.sushiwakosf.com
https://tasteofjapan.maff.go.jp/jp/restaurants/detail/?id=2158



サンフランシスコ郊外、Richmond District。第2位のチャイナタウンとも言われるClement st沿いにある寿司割烹の店、Wako。2014年にオープンし、2016年より4年連続でミシュラン1つ星に輝く。22席(カウンター8席)のみの小さな店内は木材を多く使った落ち着いた内装になっており、ローカル客を中心に、とっておきの記念日をここでと過ごす人も多い。

オーナーシェフの中村氏は愛媛県出身。高校で調理課程を専攻し料理を学び、調理師免許を取得。その後、料亭、ホテルなどで寿司、割烹などを修行した。日本食を海外に普及させたい、その奥深さを探究したいという熱望を胸に、英語の世界への憧れも後押しをして渡米。サンフランシスコの和食レストランで、11年間過ごした後、Wakoをオープンした。そして開店1年でミシュランから一つ星を獲得。以降4年連続で一つ星を獲得し続けている。「スタッフ一人一人が少しでも良くなるように、と向上心をもって努力を積み重ねてきた成果だと思います」と、中村氏。

食材の多くは日本産。こだわりは水にまで。
「和食に合うのは日本の食材」と、魚、米、お茶、のり、出汁のためのカツオ、昆布など至るまで日本産のクオリティーの高いものを使う。「こちらのものを使うと、同じ味が出ない」のだそうだ。さらに水にもこだわりが。日本の水に合わせるために、電解装置を通しアルカリイオンの軟水にして使用しているそうだ。アメリカに多い硬水は味が染み出にくかったり、茹でても硬くなってしまったり、和食には向かないのだという。当初は普通の水を使っていたのだけれども、やはり「味に納得がいかず」やっと装置を見つけてすぐに導入したそうだ。そのぶん「だしがしっかり取れるし、煮物の味が入りやすかったり、お米の炊き上がりがふっくら炊けたりする」そうだ。飽くなきこだわり。

メニューはおまかせの2コースのみ。2時間半ほどの時間をかけてゆったりとした贅沢な時間を過ごす。仕入れ状況によって2ヶ月ごとに大きく変えるというメニューだが、おまかせメニューしかないことにも理由があるという。「アラカルトにすると好きなものしか食べないで帰ってしまうお客さんが多い」と中村氏はいう。一品料理であれば出会えない食材もコース料理だからこそ紹介できる。「せっかくだから、他の店では出会えないものを何か一品、例えば、白子とかノレソレ(アナゴの稚魚)などをメニューに取り入れるようにしています」と中村氏。「日本にいろんな食材があるんだという情報を出していくことも必要があると思し、食べて欲しいものがいっぱいある」のだそうだ。

「メニューは純和食」と中村氏はいうが、自分の技術を上げるという探究心は尽きることはない。毎朝の地元のファーマーズマーケットに通い、旬な野菜を自ら買い付けメニューに加えるという。またミシュランの星を取っているような和食以外のレストランに出向き、相性の良い食材の研究。「卵にはトリュフと合うというのは定番ですから」と、白子と黒トリュフを乗せた茶碗蒸しが今のコースには入っているという。和の素材でなくても取り入れられるものは取り入れる。

「他の店では食べられない深い味を楽しみに来ていただきたい」と中村シェフ。常に向上心を忘れないWakoには今後とも注目せずにはいられない。