Taste of Japan

おいしく食べて夏バテ防止! 日本の米と米粉を使った多彩な料理

写真: ©Alexander Borisenko / Alamy Stock Photo/amanaimages

世界的にもスタンダードな料理として認知されている和食。その中心となる食材はやはり「米」だろう。豊かな四季がある環境で育てられた日本産の米は、もっちりとして旨味が強く、炊きたてはもちろん、冷めてもおいしいのが特徴だ。また、米を細かく砕いて粉状にした「米粉」は、昨今の世界情勢の影響により小麦粉を入手することが難しい現在、小麦粉の代替品としても期待が高まる食材である。グルテンフリーであるうえに、油の吸収率が低く、調理に使用するとライトな食感に仕上がるから、小麦アレルギーの人はもちろん、ヘルスコンシャスな人の間でも注目が集まっている。

食薬同源の考え方に基づく中医薬膳の観点からは、五味(甘味、塩味、酸味、苦味、旨味)のなかの“甘味”にあたる「米」は、身体に穏やかな作用をもたらすとされる。料理家で国際中医薬膳師のちづかみゆきさんによると、「胃腸の働きを正常に導く“脾”の食材である米は、生命活動の基本エネルギーとなる『気』を優しく補い、イライラを落ち着かせる」効能があるという。暑さの反動で身体を冷やしやすく、消化吸収機能が落ちる夏にうってつけの食材といえそうだ。

この働きを生かした米のレシピとして、ちづかさんは冷めてもおいしい日本米の特徴を引き出せる寿司やライスサラダを挙げてくれた。「中医学では、甘味に酸味が加わると水分を生み出すという考えがあるので、夏には酢を使った料理がおすすめです。さらに酢には身体を温める効能があり、冷房や冷たい飲み物による身体の冷やしすぎを防ぎます。酢は米酢やりんご酢を選ぶといいでしょう。ズッキーニやナス、パプリカといった夏野菜をグリルして酢飯にのせるだけの野菜寿司は食欲がないときでも食べられるうえに、夏バテ予防やむくみ改善になります。ほかにも、気を補い、利尿作用を促すトウモロコシや枝豆などの豆類、身体を温める生姜といった旬の食材を、ご飯に混ぜるだけのライスボウルも手軽においしく作れます」

日本米をおいしく炊くにはコツがある。「軟水のミネラルウォーターを使って、浸水を長くすることで、つやがあり、ふっくらとした白米を炊くことができます。また、土鍋や鋳物ホーロー鍋を使うことでさらにおいしく炊ける」ので、ぜひ手間を惜しまずにトライしたい。

おいしい日本産の米から作られた米粉は、さまざまな可能性を秘めた食材。海外でも 人気ブーランジュリーが100%日本産米粉を使ったパンを開発するなど、注目が集まっている。 写真:©NATALIA MAMYSHEVA / Alamy Stock Photo/amanaimages

一方で「米粉」は、普段の食卓にどのように取り入れたらよいだろう。「米粉を使ったグラノーラがおすすめです。オートミール150gと米粉50g、塩ひとつまみ、シナモンパウダー小さじ1/4、好みのオイル60ml、メープルシロップ30ml、豆乳20mlに、刻んだナッツ100gを混ぜて天板に広げ、170度のオーブンで15分焼き、崩して広げてさらに10分焼きます。ドライフルーツ100gを混ぜて冷ましたら出来上がり。従来の小麦粉を使用したものより軽やかな味に仕上がるうえに、グルテンフリー。胃と身体への負担が少ない優しい味で、やみつきになります」

「米粉のグラノーラ」  写真提供:ちづかみゆき

ほかにも、小麦粉の代わりにパンやパンケーキの材料にしたり、揚げ物の粉として用いたり、ポタージュに加えてとろみをつけたりするなど、その使い方は多岐にわたる。可能性を秘めた食材であるからこそ、アイデア次第で世界的にニーズが広がりそうだ。

ひと言で日本米といっても、実際には多様なブランドがある。改良を重ね、現在では500種類を超える品種がある日本の米だが、産地によっても粘度や旨味が異なる。あっさりしたななつぼし系統から粘りが強く食べごたえのあるコシヒカリまで、それぞれが個性的な味わいを誇るので、好みや用途に合わせて使い分けるのも手だ。さまざまな日本米をとことん味わって、その奥深い魅力を堪能したい。


【語る人】
ちづかみゆき 料理家・国際中医薬膳師
上海、ボストンで活動後、東京に拠点を移す。旬食材の効能を活かした心と身体に寄り添うレシピを提案。料理教室meixue(メイシュエ)主宰。雑誌、企業へのレシピ提供、コラム執筆などを行う。近著に「暮らしの図鑑 薬膳」「巣ごもりごはん便利帳」など。
http://meixue.jp
Instagram: @miyukichizuka

【米・米粉を使ったおすすめレシピ】

女性初の3つ星シェフ、カルメ・ルスカイェーダが伝授!
「米粉のパンコントマテ」

スペイン・カタルーニャ地方のソウルフード「パンコントマテ」。日本産の米粉を使用することで軽やかな食感に。

台湾の定番メニューを、日本の米でアレンジ
「ちりめんじゃことピーナッツのチャーハン」

台湾で人気の「吻仔魚煎蛋」(しらす入り卵焼き)を、おいしい日本米を使ってアレンジした一品。

香り高い具材と炊きたてご飯のハーモニーを味わう
「鶏ときのこの炊き込みごはん」

日本産米の炊き込みご飯は最高のごちそう。きのこは手に入る種類を2種類以上使うのがポイント。

夏のお出かけのお供に作りたい一品
「梅しらすのおにぎらす」

シンプルだから米のおいしさが引き立つレシピ。梅干しには防腐効果もあるので、夏のお弁当にもおすすめ。

賑やかな食卓を美しく彩る、お米のごちそうレシピ
「ちらし寿司」

手軽に作れて彩り豊かなちらし寿司は、家族でのお祝いやホームパーティの食卓にぴったり。

旬の夏野菜と酢飯のチカラで夏を乗り切る
「焼き野菜のにぎりずし」

鮮やかな色合いのものが多い旬の夏野菜を、酢飯にのせたヘルシーな一品。夏バテ防止にも効果的。

参考:一般社団法人 全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会
写真提供:amanaimages、ちづかみゆき
文:有元えり

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